胃が、痛い。痛くて痛くてしょうがない。キリキリとこれでもかって締め付けてきて、私の思考をすべて奪っていく。最初に痛くなったのはいつだっただろうか。まだ身体も動かせなくて、寝ているだけだったあの毎日でこんなに胃が痛くなることなんてなかったのに。

そう考えて、――違う――、と頭の中で否定した。
その時はきっと、気づかないフリをしていたのだ。
痛くて、痛くて、仕方なかったはずなのに、私はそれに気づかないフリをした。

なぜか。

そのことに気づかないぐらい、他のことに一生懸命だったから。
目の前に広がる世界を、受け入れるのに一生懸命だったから。

でも、
あれから、ベポの次にドクターさん。ドクターさんの次には船長さん。船長さんの次にはニルさんと、どんどん関わる人が増えていくにつれ、嫌でもその現実が私に襲いかかってくる。


この世界に、私の知っている人はいない。
私の知っている世界はない。
私の知っている、当たり前も、・・・

そして、わたしのことを知っている人も―――いない。

この世界に私は一人っきりなんだ。


思わず、ベッドの上で丸まりながら身体がぶるりと震えた。
すっぽりと頭まで被った毛布をギュッと握り締めてさらに小さく丸まる。

朝、ドクターさんに言われた一言だけが、なぜだかやけに耳に残った。それはきっと、私の本当の気持ちだったけど、でも、絶対に、言えない一言だったからだ。
この船の人たちは本当によくしてくれる。ベポやドクターさんは特に。優しくて、優しくて、海賊なんて信じられないほど。(その海賊が何かさえ、彼らの当たり前とは違う、私の世界での当たり前で図った感覚だけれど)
でも、だから言えない。


当然といえば当然。
でも、
私の知っている世界はない。
私の知っている、当たり前さえもないのだ。


ねぇ、もし、この世に神様がいるというのなら、聞きたいことがあるんです。





なぜ、わたしだったんですか?



















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title by [ Rachael(レイチェル) ]
2013.02.04